独り占めしても、いいですか?
「2人とも、家族や友達と写真は撮ったの?」



後ろから声がした。



振り向かなくてもわかる。



秀ちゃんの声。



「俺は日和と撮れたらそれでじゅーぶんだ!」



「俺も」



2人が少し後ろを向きながら答えた。



背後から手が伸びて来て、私の頭が優しく撫でられる。



「日和は?お母さんやお父さんと撮った?」



その言葉と同時に、ふわっと焦げ茶色の髪が少しだけ見えた。



「うん、さっき撮ってきた。

秀ちゃんは?」



私も少しだけ振り向きながら答える。



「俺も撮ってきたよ。

あとは日和達4人と撮るだけ」



秀ちゃんはニコッと笑って、また私の頭を撫でた。



榎本 秀也(えのもと しゅうや)。



またまた幼なじみの1人。



1番背が高くて1番優しい。



お兄ちゃんみたいな存在。


< 4 / 721 >

この作品をシェア

pagetop