何度でも恋に落ちる
千夏がカレンダーから視線を外すと同時にインターホンが鳴る。



「珍しいな。誰だろう」



千夏がドアの覗き穴から外を見ると、隼人と真弓が立っていた。


千夏は急いでドアを開ける。



「真弓と隼人さん、どうしたの?」

「どうしたのって今日は千夏の誕生日でしょ。だからお祝いに来たのよ」



真弓はケーキの箱とシャンパンの入ったスーパーの袋を掲げる。




「ありがと、真弓。隼人さんも。私、自分が誕生日だってさっき気が付いたんだよね。翼はバイト行ってていないけど、あがって」


「え?持田さんいないの!?」


「だからバイトだって」



真弓と隼人を部屋の中に促すと千夏はグラスと皿をテーブルに運ぶ。




「だって彼女の誕生日だよ!?普通バイト休むでしょ」


「彼女っていっても付き合ったばかりだし、私自身が誕生日忘れてるくらいだよ?翼が知るワケないじゃない」



納得いかなそうに眉を寄せる真弓をよそに、隼人はケーキにロウソクを刺した。




「まっ、俺と真弓が翼の分まで祝ってやればいいじゃん。どうせ翼はケーキ食えねぇし」


「そういう問題じゃないでしょ!隼人は黙っててよ!!…本当、男は乙女心をわかってないんだから」



隼人を睨む真弓を見た千夏はフッと微笑んだ。




「ありがと、真弓。でも隼人さんの言うとおり、私は真弓と隼人さんが祝ってくれるだけで凄く嬉しいんだよ?本当にありがとうね」

「うぅ…私の千夏〜」




真弓は千夏に抱きついた。
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