何度でも恋に落ちる
それはつい1時間前の出来事だった。



いつものように真弓は隼人とリビングでじゃれ合っていた。



暫くして泊まるつもりでいる隼人が風呂へ入っていった時、テーブルの上に置いてある隼人の携帯が鳴った。



真弓が何となく携帯を取ると、女の名前で着信が来ていた。


着信が切れた後、真弓はメールBOXを開いた。




「…何…これ…」



隼人の携帯の受信メールと送信メールは、先程の着信と同じ女の名前で埋め尽くされていた。


内容も2人が親密であるのがわかる内容のメール。



真弓は全てを悟ってしまった。




「ふぅ〜…サッパリした。真弓、次入るんだろ」



隼人の携帯を握り締めたまま真弓が俯いていると、風呂からあがった隼人がやってきた。


真弓は隼人に向かって携帯を投げる。




「何してんのよ、隼人!…なんで?隼人が浮気なんて嘘だよね!?…隼人は私の彼氏でしょ!?」



涙を流しながら怒鳴る真弓を見た隼人は、一瞬動揺すると床に落ちた携帯を拾った。




「何とか言いなさいよ!!」

「…ごめん。俺…真弓との付き合いに少し飽きてた。…刺激が欲しかったんだよ」



そう呟いた隼人の頬を叩くと真弓は隼人を押し、家から出した。




「…飽きた?…私と隼人は私が入学して少し経った頃に付き合い始めたから、まだ約半年だよ?…半年しか一緒にいないのにもう飽きたの?」



真弓はその場にへたり込むと嗚咽した。







「…半年で飽きられちゃうくらいだもの。この先付き合ってても長続きするワケないよね…」



小さく息をあげながら泣き出す真弓を見た千夏は、家から飛び出して行った。
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