何度でも恋に落ちる
吐き出す息さえ凍りつきそうな程の雪道を暫く歩いていると、千夏と真弓の実家に着いた4人。



千夏と真弓は荷物を置くと、真弓の運転で千夏と真弓の思い出の地巡りに向かった。




「真弓、この車ちゃんとチェーン付いてる?吹雪いてるけど前見えてる?」


「親の車だもん。チェーンくらい付いてるに決まってるでしょ。千夏は心配性なんだから」



4人を乗せた車は2人の高校やよく寄ったお店などを回った後、隼人の提案でチャンチャン焼きを食べに向かった。




「北海道は海産物が旨いよな。俺、いくら丼も食いてぇ」



レストランに着き、メニューを眺める隼人。




「真弓の運転だし、翼と隼人さん飲んだら?体あったまるよ」

「千夏ちゃんいい事言うね〜!よし、翼。飲み比べしようぜ」

「いいけど隼人、悪酔いするなよ」



千夏が注文する為店員を呼ぶと、店員が4人のテーブルにやってきた。



メニューを読み上げようと顔をあげると、千夏は固まる。


向かい合わせに座っている真弓も目を見開いた。




「…っ俊介」

「千夏?お前、東京に行ったんじゃないのか?」



千夏と店員の男は気まずそうに視線を合わせる。




「…冬休みだから帰ってきたの」

「なんだ、そうだったのか。橋本も久しぶりだな」



男が真弓を見ると、真弓は思い切り無視をした。



注文を取り男が去っていくと、千夏は店から出て行った。




「ちー?」

「持田さん、さっきの俊介って男が例の元カレですよ。こんな所で会うなんて最悪」



真弓の言葉を聞いた翼は千夏の後を追って店から出て行った。
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