何度でも恋に落ちる
その頃、翼のアパートで翼は隼人と話し込んでいた。



「お前はさぁ、なんであっさり別れちゃうかなぁ?」



4月になったらオーストラリアに留学する翼は、部屋を片付けていた。




「ちーの出した答えだから俺はどうする事も出来ないだろ」

「そりゃそうだけど、他に言ってやる言葉があったんじゃねぇの?」



翼は金魚鉢の中を泳ぐつーちゃんに餌をやりながら隼人の言葉に耳を傾ける。




「…俺についてきてって言おうと思ったよ?でも言えなかった」


「何でだよ。男ならバシッと言ってやれよ」


「言えるわけない。ちーにはちーの未来がある。…ちーが望まないなら無理を言ったり出来ないよ」



翼は金魚鉢を持ち上げると隼人に突き出した。




「何だよ」

「…隼人。2年間、預かっててくれないか」



隼人はギョロリとした目のつーちゃんを見ると、小さく笑いながら首を振った。




「コイツを預かる役目は俺じゃねぇだろ。…千夏ちゃんに頼めよ」



隼人は翼の肩をポンと叩くと、翼のアパートから出て行った。
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