物理に恋して


「で、委員長に返せたの?」

「それが、返しに行こうとしたら、先生に見つかって」

「え、なんでよ、ダメなの?」


ルームウェアになってもスタイルのいい菜摘を羨ましいなと思いつつ、考えて答える。


「いや、なんかカメラ、先生から渡しといてくれるって」

「なんだ、よかったね」

「うん」

わたしがベッドの上で答えると、菜摘はわたしの顔をじっと見ていた。


「何か顔赤いよ」

「え、本当?」

「赤い気がする」

そう言われて頰を両手で触ってみる。

「美月、熱ある?」

「ないと思います」

「うける、なんで敬語(笑)」

「あれ、なんでだろ(笑)」

思わずふたりで笑っていると。
菜摘が思いついたように両手をパンと叩いた。

「よし、美月、おしゃべりしよ。優希来られるかわかんないし。美月の恋バナ聞きたい!」

菜摘はそう言って笑うと、髪を後ろに束ねながら、

「その前にメイク落としてこよ」

バスルームに向かった。






恋バナ。

いつか、話したいな。

菜摘にも、優希ちゃんにも。






先生のこと。






そんなことを考えながら、
いつのまにか寝てた。


ーー
ーーー
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