物理に恋して
思い出して、パニックになって、ふともう一度先生を見上げると、先生はさっきよりも明らかに上から目線でこちらを見ていた。


─…わたし挙動不審になってた…?


「だって物理ってノート提出あるんだもん。」


わたしは咄嗟の一言でかわすと、恥ずかしさがバレないよう、ノートをめくっている風にしてみた。


「俺の教科だろ」


「あ、そっか」


そうだった、物理の担当は先生。ノートチェックをしてるのは紛れもなく目の前にいる先生。


先生は黙ってこっちを見てる。


不機嫌そう。


─なんで怒ってるのか訊いたら、怒るよね…?


わたしは、ちらちらと先生を見上げる。


というよりも。


─やっぱり気にしちゃうのはわたしなんだ。


先生はまた机の方を向いてしまった。

< 9 / 191 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop