俺様御曹司に飼われました
「あ、おい!」



悪魔から離れて一ヶ月。
幾度となく、社長の元にくる悪魔。
すれ違うたびに呼び止められるあたし。

後ろから呼び止められる、その声に振り向きたい衝動にいつも駆られる。
でも、振り向いてはまた同じことの繰り返しだと。



「なに、あれ?王子のこと無視?」


「王子を無視するなんて何様よ」


「いい度胸よねー」



お局たちの声が毎回聞こえる。

この人たちのすごいところは、あたしには聞こえるようにいうくせに悪魔には決して聞かせないこと。

こんなことに関心してる場合ではないんだけど。



「あ、心海」


「音哉」



あたしは一ヶ月たったいまも、音哉の家でお世話になってる。



「今日さ、残業だから先に寝ててな」


「わかった。残業頑張ってね」


「さんきゅ」



ニコッと笑って、あたしの頭を撫でて、歩きだす。



「今度は三課の恩田くんなんでしょー?」


「そうそう。うちの会社のイケメンハンターなのかしら?」



また聞こえてくるお局立ちのそんな会話。

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