イケメン部 〜第2巻〜
陸の章

其ノ壱

御影に連れられてやって来たのは、屋上だった。


普段なら立ち入り禁止のはずなのだが、ペンキ工事の業者が入りやすいように、今月は扉の鍵が開いていた。



御影は何か決心したといったように、先ほどとは違う、凛々しい面持ちをしている。


フェンスにもたれかかり、澪和の方を見、



「今から話す事は、俺の全てだ。これを聞いてどう思うかはお前次第だ。別に嫌いになってくれてもいい。…だが、西条の言う事も一理あると思ってしまった」



少し苦しそうに話し始めた。



「本当に好きなら、全てを知ってもらうべきだった。…申し訳ない」



御影は深々と頭を下げる。


澪和は話の展開が急すぎて、頭がついていけてなかった。



「え、えっ、あ…、頭あげてください!」


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