イケメン部 〜第2巻〜

其ノ弍

「ねぇ、こんな所で何やっちゃってるの~、もう、破廉恥だなぁ♪」


「…部長」



佐々木教芳だった。


佐々木はニコニコしながら此方へ近づいてくる。

御影は身構えた。



「誠くん、ごめんね~、君に澪和ちゃんを任せるって言ったけど、やっぱり僕、独り占めしたくなっちゃった」



艶のある笑み。

どこか毒を帯びたような…。


御影は澪和を庇うようにして、澪和の前へ立った。



「すみません。俺も最初は部長から頼まれて近くにいたのですが、長い時間いる事で、海空を一人の女性として好いてしまいました。だから…」


「だから、僕には渡せないって?」



伸びをしながら佐々木は言う。



「はい」



御影の目は真剣そのものだった。

佐々木は、「ふ~ん」とつまらなそうに言った後、



「まぁ、誠くんじゃなかったら殴ってたよね☆」



てへ、と舌を出した。



「でもね、僕が一番怖いのは、澪和ちゃんの事なんだよ」



ーーーと、急に真顔になって佐々木が話し始める。



「私…ですか?」


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