隣の席の女嫌いくん。
悲劇の高校デビュー
春。

「いってきまーす!!」

元気よく、我が家に挨拶をした。

今日は始業式。
高校1年生になった私は、新品の制服をキリッと着こなして、どうだJKだぞと町中を歩こうとしていた。
学校に着いたら、3日以内に友達を10人以上作ってみせる!!
と、妄想しているところに、母さんが、

「ちょっと、絵美!!ハンカチとティッシュは!?」

とドタドタと駆け寄ってきた。

「うるさいなぁ、もう…」


あるある、ありますよ。
そう言いながらポケットを触る。
…なかった。
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