王太子様の策略に、まんまと嵌められまして~一夜の過ち、一生の縁~
ひとりになった瞬間、大きなため息が出る。
ああ、どうしよう。
この集まり、間違いなく私よね?
大きな問題が去って、安心していたというのに。
どうしたらいいのだろう。
バレない方法を考えないと……。
ずんと重い下半身をなんとか動かしガウンを羽織ると、早速アマンダを呼んだ。
アマンダはすでに事情を知っていたようで、厳しい表情で部屋へとやってくる。
その恐ろしい表情に、少し身体が竦む。
「まさか王太子様が探しているとは思いませんでした」
「これって、……そうよね?私のことよね?」
「間違いなくビアンカ様のことでしょうね」
「どうして私を探しているのかしら……。決していいことではないわよね?」
「考えられるとすれば、子を成したか成さないかの確認、あるいは知らぬ間に王太子様の逆鱗に触れ、罰するための」
「ちょ、ちょっと後者は恐ろしすぎるわ!それ以上言わないで!!」
耳を塞いで、その場で蹲る。
嫌だ嫌だ、ますます行きたくない。
なんでわざわざ怒られるようなところに行かなくてはいけないのよ!
「ど、どうやったらバレずに済むかしら?ねえ、なにかいい案はない?」
「……そうですね。手紙を見せて頂けませんか?」