好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。



「何その反応。嫌?」

「や、そういうわけじゃなくて…」



一緒に帰るなんて日常茶飯事だ。


だから別に嫌なわけでは断じてないんだけど。



タイミングを見て、俺はお前に告らないといけないのに。


帰りが一緒とか、もうそのタイミングしかねーじゃんか。




「そう?じゃあ帰ろ」

「ん」


約束を取り付けてしまった手前、もう後には引けなかった。




俺は今日、親友のお前に告白する。


裏にあるのは賭けだけど、舞への気持ちがある俺にとってはガチのやつだ。



あぁ、もう。


告白なんてされる側だったからしたことないのに。


バカみたいに心臓の音が鳴り止まない。




最低なゲームが、もうすぐ始まる。




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