好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。
「…それ本気?それとも冗談?」
けれど、可愛くない私はその言葉の真偽を確かめる。
だって、大志だよ?
女にだらしない、あの桐谷大志だよ?
嬉しすぎる言葉だけど、私にはそれが素直に受け入れられなかった。
自分で確認しといてアレだけど、冗談だとしたらかなりキツいものがある。
いや、こいつが私に本気の告白なんてしてくるわけがないんだけど。
「バーカ。冗談な訳ねーだろ」
「っ、」
そう思っていたのに、大志の言葉からは信じられないものが飛び出した。
心なしか、奴の耳は赤い。
何故。どうして。何がどうなってるの?
「ち、ちょっと待って。一旦整理させて」
私の頭の中は嬉しさと共に、驚きも不安も混乱も、全ての感情が入り混じっていた。