好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。
「とりあえず看てくるね」
「うん、それがいいよ」
莉里に手を振られ、学校を出る。
「もう親友の枠越えてるじゃん、あんなの…」
そんな私の後ろ姿を見ながら、莉里がポツリとそう呟いたことには気付かなかった。
***
「舞〜…」
「はいはい、よく頑張ったね」
桐谷家へ着けば、中からフラフラの大志がヘラヘラと笑いながら出て来た。
足も覚束なくて、腕を支えてベッドへ一緒に戻る。
「ちょっと冷たいよ?」
「…ん」
熱冷ましを貼ってもう一度体温を計らせれば、やっぱり39度だった。