Tell*You
あの宣告から3日経って期限を迎えても私は何も出来ずにいた。
想いを伝えることはおろか……
仲直りのひとつも出来ないまま。
「……陽汰……」
大好きな、陽汰の名前を呟く。
今、陽汰も雨を見ているのかな……?
また雨かって……きっと不満そうに言うんだろうね。
その時に昔のことを思い出すことがあったら……
そこに私はいるかな?
陽汰の中に……今も私の存在はあるのかな……。
「……はは、どーなんだろ」
そんな自信なんて無くて自嘲染みた笑みが零れる。
あの日から……陽汰とは口を一切聞いていない。
「……帰ろ」
そんな独り言がやけに響く。
隣にはいつも陽汰がいて言葉を返してくれたから……。
1人になってこんなに自分が話していたことに気付く。
そんな自分に辟易とする。
どこから間違ったのかな……?
最初から全て……?
陽汰が隣にいない、たった3日。
それだけなのに私の時間はそこから針が止まったまま。
……雨は好きなはずなのに。
今は苦しくなるほど嫌いになりそう。
陽汰との楽しかった雨の日ばかり思い出すから……。
この空も、街も、風景も、道も全部全部……
セピアカラーに見えて心も染まってしまいそう。
陽汰が隣にいてくれたから全部全部、キラキラ色付いていたように見えたのかな……。
どうすれば……いいのかな?
探しているこの答えは……一体どこにあるのだろう……
……会いたい。
陽汰に、会いたい。
答えなんて出てもないのに……そんな想いで溢れて仕方無い。
あぁ、私はこんなにも陽汰が好きだったんだね……。