イジワル男子の甘い声


最っ低すぎるんですけど!!!

ちょっと、ほんのちょっとイケメンだからって自惚れすぎじゃない?!

ほんっと、根っからの性悪!!!


「盗み聞きとかキモ」


っ?!


女の子の背中を見つめながら、心の中で柏場に文句を吐いてると、


突然、私の足元に陰ができ低い声がしたので、顔をゆっくりとあげる。


嫌な予感。


「…か、柏場…くん」


「何」


ひっ!


思いっきり睨みながらそう聞く柏場。


なんでそんな喧嘩腰なわけ?!


意味わかんないんですけど!!


「別に…つけて来たとかじゃなくて…たまたま…声が聞こえて…」


本人を目の前にすると、やっぱり思うように話せない。


だってシンプルに怖いんだもん!!


「声がしたらどこでもお前は興味本位に覗くのかよ」


「いや、そんなわけじゃ…」


「キモイからやめたほうがいいよ。そう言う趣味」


「だから違うって!っていうか!柏場くんこそ、すぐ女の子にキモイとか言わないほうがいいよ!」


「はぁ?」


ヒィィィ!!
さらに睨みをきかせて眉間にしわを寄せる。


ヤクザかよってレベルだよ。



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