イジワル男子の甘い声





「なに。お前日本語通じないの」


エントランスを出た瞬間、

ズボンに手を入れたまま歩いていた柏場が、後ろをついて歩く私に、振り返らないままそう言った。


「だって…暇だもん」


「チッ」


「ちょ、それやめてくれる?!ただでさえ顔怖いんだから舌打ちとか!」


「お前がそうさせるんだろうが」


柏場は半分だけ振り返ると、私に横顔を見せてそういう。


いや、そうだけどもっ!


一応、女子が困ってるわけじゃん。


男の人はもう少し優しくするもんじゃないの?へ?


少女漫画の読みすぎなのか。


「ついてくだけだから!お願いっ!」


また両手を前の方で合わせる私を、柏場は無視して再び歩き出した。


お?


これは、ついて行ってもいいってことだよね?


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