イジワル男子の甘い声


「人の話、ちゃんと聞いてねーのが悪い」


「え、聞いて…たよ、」


「じゃあ、サラダってどーいう意味だって言った?」


彼女の腕を拘束したまま、答えるまでじっと顔を見つめる。


「えっと…」


少し顔を近づけただけで髪の隙間から見える耳を真っ赤にするんだから、こっちも理性を保つのに必死だ。


いつからこんなに惚れているんだろうか。


一度触れると、もっともっとって歯止めが効かなくなる。


そうさせるのも全部、こいつが悪いんだけど。


「答えろ…じゃないと…」


耳元でそう吐くと、彼女の体が少しびくついて、俺の本能的なところを刺激する。


「3…2…」


「ゆ、優…」


この期に及んでまだバカなのか。


「俺がなんて言ったか答え─────」


「塩って意味と加えたって意味でしょ」


なんだ。ちゃんと答えられるじゃん。


「わかってるならさっさと────っ、」


っ?!


引き寄せていた体を離そうとしたら、グイッと引き止められた。


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