イジワル男子の甘い声
─────ガチャ
隣の柏場んちに借りたタオルケットたちを紙袋に入れて持っていこうとしたら、玄関のドアが開いた音がした。
「ただいま…」
っ?!
パパ?!
帰って来るの早くない?!
掛け時計を見ると、時間はまだ午後7時前だ。
っていうか、みんなと結構語りすぎたな。
「おかえりなさーい!」
そう声を張って、玄関へパパを迎えに行く。
一日会っていないだけで、ずっと会ってなかったみたいな感覚になる。
「パパおかえり!」
玄関で靴を脱ぐパパは、クタクタだと言いたげにネクタイを緩めた。
そしてやっぱり…。
タバコの匂い。
「あ、ごめんパパ…ご飯今から作るから…」
「ああ。風呂に入るよ」
パパは、私の顔を見ずにそういうと重い足取りでそのまま部屋へと入っていった。