キミが死ぬまで、あと5日～終わらない恐怖の呪い～
「雨が止んでみんな家に戻っても、ミズキは１人ぼっちだった。町の人間がミズキの事を気にかけて何度も家に足を運んでいたんだが……ある日、ミズキが家の中で自殺しているのが発見されたんだ」


男性が重苦しい口調でそう言った。


自殺……。


思ってもいない事実に言葉がでなかった。


両親を１度に亡くしてしまった心の傷は、簡単には言えることがなかったのだろう。


自分で自分の命を絶ってしまうほど、苦しいものだったんだろう。


「ミズキの事を可愛そうに思って河の近くに地蔵をつくったんだが、あの地蔵だけは何度も手入れをしても翌日には汚れてるんだ」


あたしは手入れのされていない地蔵を思い出していた。


「冗談……ですよね……？」


震える声でそう言ったのは沙良だった。


「今のは全部本当の話しだよ。掃除しても掃除しても翌日にはコケが生えている。


それを気味悪く思った町人たちは誰もあの地蔵に近づかなくなっちまった。今ではあの地蔵の話をすることもタブーになったんだよ」


その言葉に、町の人たちの反応がようやく納得できた。


みんなミズキさんの地蔵については触れたくなかったんだ。
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