キミが死ぬまで、あと5日~終わらない恐怖の呪い~
「本当に、親戚の人が家具を運びだしたのか、怪しいよな」


「……どういう意味?」


「例えばさ、ミズキさんには人を怨む理由があった。だけど町の人たちはそれを知られることを恐れた。だから家具を運び出し、なにも見つけられないように隠ぺいした」


寛太の推理にあたしは目を丸くした。


「この町の人たちが嘘をついてるってこと?」


「あくまでも1つの仮説だけどな。電車も1時間に1本しかない、隔離空間に近い町だ。町ぐるみでの隠し事があったとしても、不思議じゃないだろ」


そうだろうか?


それなら、あの地蔵の事だって親切に教えてくれることはなかっただろう。


けれど、寛太の考えを簡単に否定することもできなかった。


町ぐるみでないにしても、隠されていることはあるかもしれない。


「この部屋でも収穫なしか」


すべてを探し終えて部屋を出る。


2階はこれですべて探し終えてしまった。
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