大切なキミへ。
✱✱✱






「佐崎。ちょっと出かけてくる。」

「どちらへ?」

「ん〜、どこだっけ。」

「お嬢様…」

「ん?」

「今日、お出かけされることは西園寺様はご存知なのですか?」

「……」






無言になる私を見つめる佐崎。





「お嬢様。前にお伝えしたはずです。」

「……」



「執事はお嬢様を守るために仕えているのです。
もしもお嬢様に何かあったらどうするんですか!
お嬢様はもう少し、自覚なさってください!」



「…っ。」






佐崎の強い言い方に何も言えなくなる。
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