星空を見上げて

目的地に着くと俺たちはバスを降りた

「ここのホテルの温泉に入るぞ」

「温泉?」

「そ、温泉に入ればカラダも気持ちもすっきりするぞ
ちなみにサウナもマッサージもある
そのうえ空港までの無料送迎バスもあるから便利だぞ」

「へえ」

そう言いながら俺たちは中に入った
中には内湯、寝湯、岩風呂、水風呂など沢山の温泉があった
さっそく入浴料を払い温泉に入る

「気持ちいいな」

「ああホントだな、しかし
まさか飛行機に乗る前に温泉に入るとは思わなかった」

「こういうのもありだろ?」

「そうだな」そういうとくすっと笑った

「あと数時間後には日本を発つんだな」

「・・・」

「向こうに行ってもたまには電話しろよ俺もするから」

「ああ」

その後はサウナに入ったりマッサージを受けたりした
そして空港行きの送迎バスに乗り空港に向かった

空港に着くと既に搭乗手続きは始まっていた
手続きを済ませ荷物を預けると手ぶらになった俺は
時間までコーヒースタンドでコーヒーを飲むことにした

「風呂のあとはコーヒー牛乳なんだけどな」
と言いながら隆司もコーヒーを飲んでいた

「隆司」

「ん?」

「ありがとうな」

「何に対してのありがとうなんだ?」

「まぁ色々」

さて、と立ち上がると隆司も立ちお互い顔を見合わせた

「元気でな涼太」

「隆司も元気で」

そう言い俺たちはそこで別れた

これで暫くは日本に帰ってくることはない
次日本に帰ってくるのは多分数年後だろう
しばらくはアメリカで頑張るのみだ
そんなことを考えていると飛行機はゆっくり動き始めていた


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