年下彼氏と甘い恋








そんな中、



「あ、里佳子だぁ!」



聞き慣れた声が響いた。

思わず飛び上がり、恐る恐る後ろを振り返る。

するとそこには、やっぱり彼が立っていた。





清潔な短い髪に、整った顔。

その顔には人懐っこい笑顔を浮かべている。

そして、皺のないピシッとしたスーツを身につけている。

センスのいいネクタイが、冬の風を受けて少しだけ揺れた。




私は彼を知っている。

知りすぎなほど、知っている。




「……陽太、なに?」




顔を歪めて聞くが、陽太は相変わらず笑顔のまま私に近寄った。


< 4 / 271 >

この作品をシェア

pagetop