極上スイートオフィス 御曹司の独占愛


「はいはい、もしもん時はよろしく」


だから必然、返事は軽くなる。
それに、実際、朝比奈さんがよりを戻したいと言い寄るとすればそれはきっと私じゃない。


そのことを伊崎だってわかりそうなものなのに、彼はしつこいくらいに念押しをした。


「まじだからな!」

「ほいほい」

「お前むかつくわー」

「感謝してるよ。アリガト」


これは本当。
伊崎がいてくれたおかげで、私は潰れずに済んだと思う。


だからこれだけは伝えておくべきかとにっこり笑ってお礼を言うと、伊崎は不意打ちをくらったハトのような顔をした。

< 12 / 237 >

この作品をシェア

pagetop