極上スイートオフィス 御曹司の独占愛

「そんなのいいです、こんな時間だし! ディナーっていうより、もう今すぐお腹に何か入れられたらなんでもいいくらいで」


それは建前ナシに本音だ。
クリスマス商戦、最終日はとにかくハードだ。


正直疲れすぎてお腹もすきすぎて、終わったら駅前の立ち食いうどんに飛び込もうかと思っていたくらいだ。


それは恐らく、朝比奈さんも同じなのだろう。


「だよな。そう思って、これ買って来た」


がさ、と紙袋を差し出してくれる。
茶色い袋の口をあけると、チキンサンドの包みが二つ、入っていた。


「ああああ! 嬉しいです本当に!」


さっきまでは空腹を通り過ぎて麻痺しかけていたくらいだが、チキンサンドの仄かな温かみと香りを感じると、一気に食欲が湧いて来た。


ふたりで休憩室に入って、椅子に座ると朝比奈さんが自販機のコーヒーを買って来てくれた。
閉店作業後はすぐに帰宅に向かうのだろう、販売員は誰も居なくて、ふたりきりだった。


暖房の弱い、人気の少ない休憩室は少し肌寒かった。
小さく身震いをしてしまった私の肩が、ふわりと温かさに包まれる。


「あ、朝比奈さん……」

「冷えるから」


私の肩には、朝比奈さんのスーツの上着がかけられていた。
だけど、その代わりに彼がワイシャツだけになってしまっている。


「でも、朝比奈さんが風邪ひきます」

「大丈夫。コーヒーであったまるし」


細長い机を挟んで、向かい合わせに座り、彼が紙袋からだしたチキンサンドを私に手渡してくれた。


「……いただきます」


急いで食べて、早くここを出なくちゃ。
朝比奈さんが冷えてしまう。


慌ててチキンサンドにかじりついていると、くすりと前方から含み笑いが聞こえた。


「慌てなくていいよ」

「でも」

「ケーキもね、買ってある。4号サイズの小さいやつだけど」


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