いじっぱりなオトコマエ女子と腹黒なイケメン御曹司の攻防
「柏木ちゃん、出してないでしょ?」

「はぁ。でもなにも使ってないですから」

「そうなの?でも、お昼兼ねてミズイさんと打ち合わせる事もあるでしょ?部長も他より多めに経費取ってあるって言ってたし、たまには接待で美味しいお店とか行ったら?」

「あぁ、まぁそうですね。はい……」

まさか、打ち合わせの度に食事に行っていて、そのすべてを涼介に奢ってもらっているとは言えない。打ち合わせの度の食事も要らぬ憶測を呼びそうだし、その全部を涼介が払っていると知られたら私がタカっているみたいで心象が悪い。

「そういえば今日も打ち合わせでしょ?今のうちにネットで調べて予約しとくと良いわよ。打ち合わせも長引かないし」

良い思い付きだとネット検索をし出す梨花さんに、慌てて制止の声をかけた。
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