いじっぱりなオトコマエ女子と腹黒なイケメン御曹司の攻防
「えぇー!?今せっかく、良いこと言ったのにぃ」

「すいません。ちょっと資料室見てきますね」

ぷぅっと頬を膨らませて不満顔な梨花さんにぺこりと頭を下げて、逃げるように部屋を出た。ううん、逃げるようにじゃなくて、私は逃げたんだ。

だってこれ以上話していたら、苦い記憶が身体中に広がって痛くて痛くて泣いてしまうから。



結局私はまだ、意地っ張りで素直じゃないまま。あの頃の不器用な女子校生から、ちっとも成長していない。


















< 7 / 118 >

この作品をシェア

pagetop