何度でも

side美桜





あれから数日が経った。

記憶なくされたときはまだ希望があったけど、この状況はもはや希望なんてない。ただ………………辛い。


颯真を見るたびに胸が締め付けられるような感覚に襲われる。


私………………何のために、この学園に来たっけ?



___ドンっ。

「いたっ…………」


「あ、ゴメンね!」

この人颯真の隣によくいる人だ。

「あ、学生証落としてる」

「もう、美桜ボーッとするから………」

「ごめんなさい。ありがとう」

「ほら!!美桜行きましょう」

「えぇ」


「……………っ!!?まっ………」



噂で聞いた。颯真とお見合いするのは業界では名の知らない人はいないほどの、スゴい人なんだって。

明日お見合いするらしい……………なんて、私にはどうでもいいことか。


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