HEROに花束を(完)
遊べなかったらどうするんだろう、わたし。
そんな思いは心の片隅に片ずけられていた。
悠に出会う前、こんな自分を想像することはできなかっただろう。
体の動きに逆らわず、川の流れに乗るように、すいすいと進んで行く。
前のわたしは急流の中の一つの小さな小石だった。
何もできない、ただの小石。
でも、今は違うんだ。
そのあとどうなるかなんて、その時考えればいいじゃないか。
ずっと悩んでいたら、何も始まらないんだから。