鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)
~~~堂林孝太郎side~~~


◆◇堂林孝太郎side◇◆


一台のタクシーを見送って、空を見上げた。

時刻は午後8時過ぎ。

大通りに建ち並ぶ高層オフィスビルの窓には、まだあちこち明かりが灯っている。

さて、会社に戻るか。

足取り軽く歩いていると、ちょうど正面玄関で部下の森本と横山に出会した。

「あれっ?課長!今日は早く帰ったんじゃ?」

「あぁ、海外の取引先と会議が入ってるから戻ってきたんだ」

「珍しく定時過ぎに帰られたから、みんな何事だろうかって話してましたよ」

だろうな。

定時で帰ったことなんて、入社して数えるほどしかない。

「冴木はまだ残ってるか?」

「はい」

「そうか。お疲れ」

「お疲れ様でした!」

部下を見送り、足早に営業部のフロアに向かうと、まだ明かりが煌々と灯っていた。

どうやら営業2課も3課もまだ何人か残業しているようだ。

営業1課の主任デスクに目をやると、部下の冴木が猛烈なスピードでキーボードをカタカタと叩いていた。

「冴木!」

「うへっ」

うへっってなんだよ。

全く、コイツのせいで…、いや、コイツだけじゃないが。

「おいっ!どういうことか説明しろっ!」

仁王立ちでギロッと睨みをきかせている俺を見て、営業部のフロアがシーンと静まり返ったのは言うまでもない。









< 36 / 176 >

この作品をシェア

pagetop