鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)


孝太郎さんは手際よく朝御飯を作っていた。

スクランブルエッグは絶妙で、すっかり私は胃袋を掴まれた。

「朝は作るが、昼と夜は基本外食だ」

そんな生活でよく太らないものだと感心してしまう。

もし私がそんな生活したら、確実に体重が増える。

「大丈夫ですか?栄養のバランス悪そうですけど」

「時間が空けば、ジムで身体は鍛えてる」

「そうですか…。それにしてもスクランブルエッグ美味しかったです」

「なら、明日も作ってやる。その代わり、今日の晩飯を作ってくれるか?」

その交換条件ってなんなんですか?

つまりは、今日も泊まれってこと!?

スクランブルエッグは食べたいけど。

すごく、すごく、食べたいけど。

「さすがに着替えが…」

「これから出掛けるか」

着替えの話はどこへやら?

「どこ行くんですか?」

「いいとこ連れてってやる」

いいとこってどこ?

それより、まさかのデート!?

孝太郎さんと初デート!?

仕事終わりにご飯は食べに行ったけど、休日デートは初!

すっかり舞い上がり、交換条件や着替えの話は頭の中から消えてしまっていた。

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