美魔女オネェに拾われたなら
そうしてご飯がダイニングテーブルに並ぶ頃さっちゃんも顔を出した。

今日も素敵なオネェさんである。


「さっちゃん、おはよう!」


そう言うと


「なっちゃん、おはよう。似合ってるわよ!そのワンピース。さすがはアカリセレクトだこと」

そう言いつつギューッと抱きしめてくれるさっちゃん。

さっちゃんはスキンシップが激しめだけど、それはお母さんが子どもを可愛がる、そんな感じだ。
それを私もなんだか胸が温かくなるので、そのまま受け入れて甘えてしまっている。


出会って二日なのに、それが自然だと思わせてくれるのがさっちゃんだから。
私は甘えてしまうことにした。
だって私の記憶に微かに残るお母さんに、さっちゃんは何だか近い雰囲気を感じたから…。


「さっちゃん、今日のご飯も美味しそうだよ」


そう言って二人でテーブルに向かう。
そうして三人で、

「いただきます」


挨拶をしてご飯を食べはじめた。

温かくて美味しい食事。

それをいろんな話をしながら食べることの出来る環境。

人と食べるご飯の美味しさをまた今朝で実感した。


「美味しかった。食べすぎたかも。あっちゃんありがとう。お皿洗いは私がするから二人もお仕事の準備してね!」


そう言うと私はお皿たちをシンクに下げて洗い始めた。

白のカットソーは七分袖のお陰でまくる必要がなく家事もしやすい。

そうして洗って水切り桶に置くというのを繰り返し、洗い終わったところであっちゃんとさっちゃんに呼ばれた。


「夏美こっちにいらっしゃい!」

どうやらリビングの方で呼ばれてる。

手を洗いタオルで拭いて、私はリビングへ向かった。
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