美魔女オネェに拾われたなら
「うちはね、ヘアメイクアーティストからスタイリスト、そのどちらも出来るトータルプロデューサーらが所属する会社なの。その時々に合わせてヘアメイクアーティストやスタイリスト、どっちも出来る人を仕事に合わせて派遣する会社。だからそれなりのヘアメイクアーティストとスタイリストが在籍してるの。そんな会社なのよ。」



うん、想像もつかない。
キラキラした感じの私とは違う世界が広がってそうだ。




「うちで、事務員してくれてる人の娘さんが里帰り出産するって言うのよ。なので正社員から週2のパートに切り替えさせてくれないかって言われて、事務員兼雑用係さん探してたわけ。そこに丁度職なし、住むとこなしな夏美ちゃんが目の前に現れたわけよ!確保するしかないでしょ?」



そうニヤッと笑う姿は妖艶である。
これで本来の性別は・・・


うん、自分が少し虚しくなるから考えるの辞めよう・・・。



「住むところは私の家の一部屋貸したげるわ。そのビルの中に事務所もあるから通勤楽よぉ」


な?なっ?なにぃ?!!!




「今日会ったばかりのあなたとひとつ屋根の下で暮らせと?」


ポカン顔で尋ねると



「ヤダー!可愛いお顔が台無しよ!大丈夫!家6LDKで部屋余ってるし。お風呂付きのゲストルーム貸したげるわ!」


そう言って微笑む美魔女。
捕まえた戦力離さんぞオーラ出まくりです。


警戒心出そうとしてもそれすら却下の勢いで押せ押せオネェなアカリさん。
始めっから、勝てる気がしない・・・。


そして考える。

オネェって事はそーゆー対象は男の人なわけで・・・


身の安全は確保されてる。
住んでも女同士のルームシェアみたいなもん。


問題…、無し、なのか…?


「えっと、よろしくお願いします?」



「もー、疑問形で返さないの!アカリさんに任せなさい!」



こうして職も住む所も失くしたと茫然自失して30分後には、何と仕事も住む場所も決まりました。


捨てる神あれば拾う神あり。



私、美魔女オネェに拾われました。






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