ハチミツとレモンサイダー


「ま、久しぶりに会った訳だし仲良くしろよー」


「誰がこんなんと!」


「そっくりそのまま返す」


「ふふふ。
なんか2人ともカップルみたい、ね?」


「あー、確かに確かに!」



……だからまた同じような顔して笑うなぁー!!


からかってやりたいのに……何かがつっかかって言葉を奪っていく。



「……は、はは。
ないない。
コイツとはあり得なー……」



ねえ……今のあたしはいつも通り笑えているのかな……。


何にも……楽しくないけど。

ちゃんと……皆に合わせて笑っていられてる?


また勉強会はアイツを加えて再スタートした訳……だけど。




「んー……ねえ薫くんここって……」


「ここは、この方程式使って……」




シャーペンを口元に当てたまんま、ずっと向かいに仲良く腰掛ける2人をガン見。


なんで……こんなに近くにいるのにね。


あたし達はどこまでいってもただの幼なじみなんだ。


特別に想うのは……あたしだけ。

想いは……
届けることも出来なくて自らの足で踏み潰してしまう。


それなのにまた……どこからともなく湧いてきて苦しめる。



それにあたしなんかより杏華の方がずっとずっとカップルに見える。


そもそもここはお互い鈍感だけど周りから見たらくっ付くことは目に見えてた。


もちろんそれはあたしの目にも。


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