ハチミツとレモンサイダー


「だから、もう……放っておいてくれない?
アンタが不満なら視界にも入らないようにするし」




押し殺して、騙している心に誰もこれ以上触れないで。





「……まあそういうことであたし帰っ……」



立ち上がろうとした所でまた止められてしまう。



「……んなこと別に聞いてねえ。
勉強しろって言ってんだ」



……なんだろ。

あたし頭おかしくなっちゃったのかも。


なんで……コイツの声が……優しく聞こえたんだろ……。


……多分、失恋のせいだよ。

そうとしか言えないわ。




「……あたしもさ硝子のハートなわけ。
アンタに色々言われんのも傷付……って聞きなさいよ!」



コイツときたら人の話も知らん顔で自分のノートを半ば無理やり机に突き付けてきた。




「ごちゃごちゃうるせぇ。
寝るから邪魔すんな」


「あ!
ちょ……っ」




……コイツぅ!


速攻でガード作って寝入る体制だし!!




「……なんなの……もうっ」




……うわ、字綺麗すぎでしょ。


認めたくないけど分かりやすい……



アイツが突き付けてきた数学のノートをペラペラ捲る。


しばしそんな小さい音だけが響いて。




「……ふふ」




でも、さ。

あたし分かってるよ。


アンタが本当は寝てなかったってこと。



だってさっきから気付かないフリしてるけど、こっち見てる時あるし。


言ったらまた暴言ぶつけてくるから黙っておきますけど。



なんだか優越感に浸ったみたいで勝手に口元が緩んでく。



冷たいし、すぐ暴言吐くし、あたしのこと人としても見てないみたいだし。


でも……ちゃんと人間らしいとこあるじゃん。


ほんの少しだけ光里遼雅を見直した、今日はそんな特別な日になったことは。


本人には当分秘密にしておくことにします…────────


< 19 / 19 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

し ろ う さ ぎ
wiz_u/著

総文字数/103,672

恋愛(純愛)356ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
* 「笠井さんって変わってるよね」 「ありが……って! それ……誉め言葉ぁ!?」 「はは。皆にもそうやって 接すればいいのにー?」 「……い、いやぁ……それはちょっと……」 とにかく目立たないように、 誰かの気分を損ねないように。 自分を偽って生きてきた私の中に 彼は驚くほど簡単に入ってきた。 でも、そんな彼が 一人の時に見せるその瞳は…… 年不相応で妙な焦燥感に駆り立てられた。 ねえ……君は今…… 何を見つめているの…──────── * 斎川夏稀 (サイカワ ナツキ) × 笠井 千鶴 (カサイ チヅル) この物語はフィクションです。 * 【2018/01/05 完結】 本棚へ追加してくださった読者様、感想を くださった読者様ありがとうございます!
Miss*You
wiz_u/著

総文字数/13,254

恋愛(純愛)15ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
大キライ、大スキ どうでもいい、どうでもよくない どこかへいって、傍にいて コトバとココロはいつも ちぐはぐなままで…──────── * 月村琉惟 (ツキムラ ルイ) × 笠井遥奈 (カサイ ハルナ) この物語はフィクションです。
Tell*You
wiz_u/著

総文字数/10,731

恋愛(純愛)12ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
大切な幼なじみへの感情が…… 恋へと変わる。 素直に好きだと言えたら…… どんなに楽になるのだろう…… * 島崎陽汰 (シマサ"キ ヨウタ) × 旭璃乃 (アサヒ リノ) この物語はフィクションです。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop