腹黒王太子の華麗なる策略
バイオフルールの花吹雪を見て微笑むが、なぜかクリスは私をじっと見つめて目を細める。

「ああ、綺麗だ。まるで春の女神だ」

クリスに褒められて、顔の熱がカアーッと急上昇する。

きっと私の顔は赤くなっているだろう。

「それを言うならクリスの方でしょう?髪が日に透けて神々しいよ」

クリスの金髪がキラキラ輝いていて目に眩しい。

神がいるとしたら、それはきっと彼のような容姿をしているに違いない。

私の瞳がラミレス王と同じ紫でなければ、クリスの方がラミレスの子孫だと思うだろう。

それくらい彼は、中身も容姿も人間離れしている。

「それにしても、もうすぐお昼になろうとしているのに、ラミレス王の洞窟は見つからないな」

「洞窟自体がないよね。見た洞窟と言えば、私達が一晩過ごしたあの洞窟だけだもん」

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