ミンジュンが私を溺愛すぎる件



その姿を見ていると、ミンジュンのお腹の虫もさすがに鳴き出した。

ミンジュンも席につき、モモたれの焼き鳥にかぶりつく。
早く食事を済ませて、詠美とお風呂に入りたい。
だって、今日一日、それだけを楽しみに頑張ってきたんだから…


「詠美、デザートは風呂の後だ。
分かったな?」


詠美は笑っている。
何もかも見透かしているような温かい眼差しを向けて。

焼き鳥を頬張る詠美を見ていると、俺もその焼き鳥になりたいと思ってしまう。
もう、末期症状かもしれない…
マジで詠美なしでは生きられないよ…



詠美はブクブクと湧き出る細かい水の泡と、ミンジュンの滑らかな胸板と長い腕に背中を包み込まれながら、目の前に広がる東京の夜景を見ている。

今日の東京は雨模様だ。
この広くて豪華なガラス張りの浴室からは、窓の向こうの外の状態がよく分かる。
ミンジュンに言わせれば、この浴室の窓は最高級のガラスを使っているらしい。
こちら側がどれだけ湯気を出そうが曇る事はなかった。
愛し合う二人が温いお湯に肩まで浸かり、愛を囁こうが水しぶきをあげようが、外の景色は変わらない美しさで二人を見守ってくれた。

詠美が小さくため息をつくと、ミンジュンは後ろから抱き寄せる腕の力を少しだけ抜いた。



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