ミンジュンが私を溺愛すぎる件


詠美はそう言って、ちょっとだけ笑った。
でも、ミンジュンさんに借りも貸しも作りたくない。
この可愛げのないプライドが私の長所でもあり短所でもあるのだけれど…


ミンジュンは詠美の表情をジッと見ていた。
バランスの悪い大きな目は、細くなったり見開いたり大粒の涙を溜めたりして本当に忙しい。
でも、そんな詠美の顔を何時間でも見ていたいと思う。
何時間見ていても、きっと絶対に飽きない。
困った風に微笑む詠美の顔に、どういうわけだか目が釘付けで胸が痛かった。


「この部屋代を払ったら、詠美の給料じゃ足りないよ…」


ミンジュンが少しだけ笑ってそう言うと、詠美はハッとした顔をして恥ずかしそうに下を向いた。


「じゃ… やっぱり帰ります…」


ミンジュンは無意識の内に詠美との距離を詰め、抱きしめる寸前の状態でハッと我に返った。


「帰らなくていい…
部屋代はもちろん俺が払う。
それは、俺がここに居ろって言ってるからだ。

部屋代も食事代も他色々なお金も、全部俺が出す。
だから、詠美はここに居る。
それが、お前の仕事だ。
だから…

だから、絶対に帰るなんて言うな…」


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