【BL】好きになってよ。


ポン


軽く肩を叩かれて振り向くと、そこにはしんちゃんと同じ、幼なじみのけいちゃんがいた。


「よっ」


「あっ、おはようけいちゃん!」



小倉 恵(おぐら けい)くん。しんちゃんみたいに生まれた時からじゃなくて、小学校1年生の時からの友達。


優しくて、何かあった時はすぐに相談に乗ってくれる。



「ん、なんか元気ねーな
また慎也になんかされた?」



僕の顔を除きこんでくるけいちゃんの顔はとても整っている。


しんちゃんに負けず劣らずのイケメンだ。



「そんなことないよ!」


周りの人はけいちゃんのかおが突然至近距離に来たらビックリするんだろうけど、僕はもう慣れてるから驚かない。


たまに普通にビックリすることあるけど。


けいちゃんは多分距離感覚がおかしいんだ。

なにか聞く時も、結構顔を近づける。男女問わずに。



それが原因で自分のことを好きなのかと勘違いしちゃう女子がよくいて、しょっちゅう揉め事を起こす。イケメンって大変なんだな、って感じるよ。



「私のこと好きじゃなかったの!?」


って聞いてくる女子に、けいちゃんはこう答えるんだ。


「どうしてそんな勘違いをするの?
そんな訳ないじゃないか。」


冷たい口調、冷たい表情で。


けいちゃんはそういう女子にすごく冷たい。


なんでだろう。それはよくわかんないけど。


< 8 / 150 >

この作品をシェア

pagetop