Youth...★





一ヶ月前に中学生になった俺は、制服をきてアスファルトの上をだらだらと歩く。



向かう先は学校。


―――ではなく、仁の家。



中学にあがってから、数えられるぐらいにしか俺は教室に上がっていない。勉強よりもなによりも遊びを優先していた。




あの日、友達になった俺たち。


それからの毎日はほんとにすげえ楽しくて、嫌いな先生の車に仁が家から持ってきたスプレーで落書きしたり、寝ぼけた祐翔が何故か家から生卵をランドセルに入れて持ってきて、校長の石像にぶつけて先生に説教されて。


学校を抜け出して公園で遊んだり、自由って言葉が当てはまる様な生活を送っていた。



けど、3人は俺の一個上で、どう足掻いてもその差が埋まることはなく、寂しくも先に仁達は中学生になった。



中学生になった3人は、元から悪ガキだった所為なのかなんなのか、俗に言う不良になっていて、まだ小学生だった俺も不良になった仁たちにいろいろ教わって、悪いことも一緒になってやっていた。



そして、待ちに待った日。俺が中学生になった日。それが一ヶ月前の事。



まあ、中学生になったはいいけど全然何もしてない。勉強なんてそっちのけ。遊び遊び。とにかく仁達と遊ぶ方が俺には大事だった。




仁の家に着くと、玄関、ではなく裏手に回る。


綺麗な一軒家の裏には、一目につかないように木が並ぶように植られていて、家と木の間にポツンと少し大きめのスーパーハウスが建っている。



そのスーパーハウスこそが、俺達の溜まり場だ。



悪さばかりを繰り返す仁を見放すかのように、仁の親父さんはこのスーパーハウスを建てたらしい。そして「今日からお前はここで寝ろ」そう言われたと仁は言っていた。



その時の仁は少しだけ寂しそうに笑っていたけど、またすぐにいつもの様に馬鹿みたいに笑って「今日から自由ダアァ!」とふざけていた。




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