契約書は婚姻届
「申し訳ありませんでした。
しばらく、朋香をお任せします。
よろしくお願いいたします」

尚一郎は深々と再びあたまを下げると、朋香の頬にふれようと出しかけた手をぐっと堪え、立ち上がった。

「十分反省してから迎えに来るから。
そのときは許して欲しい」

「……」

朋香はふて腐れて俯いたまま、目すら合わせない。
そんな朋香を責めることもなく、尚一郎は若園家をあとにした。
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