2度目のFirst Love
家に帰りながら頭の中では秋生の言葉と胡桃ちゃんの言葉が交互に流れてる。


怒りたいのか、泣きたいのか、分かんない。


_ブーブーブーッ!


鞄が震えてビックリした。



「も、もしもし」

「今どこいんの?」

「もうすぐでお家だよ。 どうしたの?」

「帰ったらいねーから、電話してみた」

「あ、ごめん。 涼介くんと盛り上がっちゃって、お店出るの遅くなっちゃったんだ」



またうーちゃんに心配かけちゃった。


周りをみればもうあまり人は歩いてなかった。


仕事帰りのOLに、塾帰りの子供。


昼間はそこそこ車通りもあって賑やかな場所。


だからか、改めて見ると少し怖い。



「大丈夫か?」

「え? あー……なんか今日疲れちゃって…風邪かな?」

「ご飯あっためて待ってるから、早く帰ってこい」

「うん、あり__っ」

「心?」

「車が!」

「心!?」



横断歩道を渡ってる小学生。


スマホを見てて気付いてない。


運転手も__!?


頭の中が真っ白になった。


男の子目掛けて無我夢中で走った。


大した距離じゃないはずなのに凄く長く感じた。


自分の息づかいが大袈裟なくらい分かる。


咄嗟に男の子を突き飛ばした。


目の前が眩しくて、何も見えなくなった。


ただ一つ浮かんだのは……



「しゅ…せ__」






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