言えない恋
………。
本気って言われても…
なんて言ったらいいの―?
「……」
「……」
お互い無言のままエレベーターは五階に着いてしまった
チーン…
開く扉の向こうには誰もいない
それが余計に気まずい雰囲気を作ってしまう…
「急にこんなこと言われて困惑するのも無理ないですよね…。でも」
エレベーターから出た後に早瀬くんが言った
途中で止まった言葉に私は早瀬くんを見た
目が合い…不思議と避けられなかった視線
"でも"の次…
なんだろう…―
「彼氏がいようと俺は黒崎さんが好きになったんです。別れろとか言わないですけど、知っておいてください‥俺の気持ち」
「………」
返事ができない…
ってゆうか…
「なんで…私?」
今日会ったばっかりだし、他にも女性はたくさんいたのに…
早苗とか菜緒ちゃんとか
なんで…‥私なの?
んでもってなんでそんなこと言っちゃうの?
早瀬くんって人見知り…なんでしょ?
あぁ‥わかんない‥
理解できません‥(泣)
「一目惚れって言ったじゃないですか。俺だってこんなの初めてでびっくりしてるんですよ。告白だって…初めてだし…」
うそ…
告白が初めて?!
私が初めての相手っ?!!
…‥余計気まずいじゃん。