言えない恋






昔、倉岡が住んでたマンションと同じだという偶然も何となくイライラくる‥




こんなでっけぇマンションに一人で住んでんの?




あ…一室か。





「名前、何て言うの?」




倉岡…ナンパはよせ…




あくまでお前は俺のマネージャーだぞ




「へ?あ‥黒崎芽衣です。」



くろさき ‥めい




トトロじゃん。(笑)




「オッケー。芽衣ちゃん、飲み過ぎは良くないよ。またね」



「あ、はい!! すいません。さようなら…」





さっそく名前で呼んでるし‥




軽い男って思われるぞ




‥まぁ関係ないから思われてもいんだけど





ふと目線を外にやった





目があった。





女は、まだ顔が赤い



飲み過ぎだろ…





コクリと小さく礼をする女





…‥正直、可愛いと思った




だけど感情を表にださない俺は、うっすら笑うだけの返しで終わった







女ってみんな、あぁなのか?




一瞬一瞬見てねぇと分かんねぇな‥






むすがしい‥‥―




「‥可愛いか?」



「は?」



「芽衣ちゃん」



「なんだよ‥違うって言ってんだろ」



「ふ〜ん‥」





…‥違う、ってなにがだ?




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