言えない恋






「結婚したんだってな」




直球で聞いてみる



もう俺らには何もないんだから…





『うん…知ってたんだ。』


「まぁツレから噂で。頑張れよ」



『‥ありがとう。壮ちゃんも、頑張ってね』



「あぁ」





綾の"壮ちゃん"を二回聞いたとこで、電話は終わった




こんなもんだろ



綾とは普通に戻れたってことだよな‥?




それでいいんだ





綾は結婚して、誰かの妻として生きてる


けど俺の中で変わったのは、まだ綾は応援してくれてた、ってこと



"私がファン1号ね"




変わってなかったんだ‥






一服する間も
家を出る時も
春に呼ばれた居酒屋に入るまで



頭には綾がグルグル回ってた





居酒屋に入ると、春をすぐに見つけた


でけぇ声で喋ってると行きにくいだろぉが



じゃなくても、もう見られてんのによ〜…





「お〜壮介。こっちこっち♪」



声でけぇ…



"騒がれるのだけは避けろよ。何があっても俺は絶対行かないからな"



倉岡にあぁ言われたからには何かあったら自分で対処しねぇといけねんだよ



だから

今回もおとなしくお願いします…




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