白い虎と蝶 ~絆~


「そう。名前は教えられないけど、あなたの名前を教えて。



あなたって呼ぶのもおかしいし茶髪って呼ぶのもおかしいから」



「高城かなめ」



「高城」



「かなめ」



「…………かなめ」



「高城って呼ばれるの好きじゃねんだ」



ふーん。



かなめって名前、か。



覚えておこう。



苗字、同じなんだな。



ま、いっぱいいるか。



「白蝶ってとりあえず呼べばいいか?」



「そうだね。なにをそんなに焦ってるの?」



「………………………お前も俺の考えてることがわかるんじゃねーか」



かなめはベンチに座って肘をつく。



しかも、直球だな。なんて文句を言いながら。



「かなめもわかりやすいからね」



なんだそれ。なんて言いながらお互い手を離さない。



手は離してないからかなめが座った時点で私も隣に座ることになった。



私から手を離さないのは、かなめが悩んでると思ったから。



ほら、人の温もりって安心するでしょ?



私は安心しないけど。



「焦らなくていいんじゃないの?」


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