白い虎と蝶 ~絆~


女子みたい。



総長ともあろう人が髪を気にするのがなんかおかしかった。



「お前……」



「ん?」



かなめが私を見て固まった。



「笑えるんだな」



「え?」



笑っ……た?



私が?



人前で笑ったことないのに?



あ、そういえば、自分から人に触れるのも、あの人以来だ。



あの人でも3ヶ月はかかったのに。



「嬉しそうに、楽しそうに、な。朝も笑ってたけどあれ作り笑いだろ?いまのは本当の笑顔みたいだった」



それから、なにも言わなくなったかなめ。



私も何も言わないまま時間が過ぎる。



中に入ってる白いパーカーと手袋。



いつでも白蝶になれるように持ってきたけど、学校では使わなそうだ……。



「なぁ、まな」



私はかなめのそばから少し離れて机の上に座る。



かなめは、窓に寄りかかって外を見ていたけどそこからまた私の近くの机の上に移動して座った。



離れたのに意味無いじゃん。



「質問いいか?」

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