幼なじみの溺愛が危険すぎる。 〜中学時代〜
お風呂から上がってハンバーグを食べている玲音に、
スープを用意する。


「もう少し早く帰れれば雨に降られないで済んだのにね。
ギリギリ間に合わなかったね。

ほら、髪の毛、まだ濡れてるよ?」


濡れてる玲音の頭を、タオルでごしごしと拭く。


気持ちよさそうに目をきゅっとつぶっている玲音の表情は、
小さいころのまま。


うん、相変わらず玲音は可愛い!


「部活帰りに本屋寄ってたら遅くなっちゃった」


「ふーん、漫画でも買ってたの?」


「まぁ、そんなとこ。それより、りりちゃん。
これってどうやって開けるんだっけ?」


玲音から新しいドレッシングを受け取った。


「フタを回すだけだよ?」


「新製品なんだって。どっちに回すんだろう? 
んん、開かない……」


ドレッシングのふたと格闘している玲音を見て、がっくりと肩を落とす。


「本当に玲音、不器用だよね……」


ふたを開けて玲音に渡すと、

「ありがとう、りりちゃん」

と黒い瞳を艶々と潤ませて嬉しそうに玲音が笑った。


ま、可愛いから、いっか!


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